わくわくエネルギー教室 かんたんモーターを作ろう!(実験例)

-1.どんな実験なの?
 
 図1のようにして、磁石の近くにある導線に電流を流すと、その導体は磁石から力を受けて動きます。
 直流のモーターはこの力を利用したものです。身近な材料で、世界一?簡単なモーターを作って、モーターの回る原理を学習しましょう。

図1

-2.用意するもの
 
 フェライト磁石(大きくて強力なもの程よい。今回は直径30oのものを用意した)、消しゴム(台として使用。かまぼこ板がベター)、ゼムグリップ2個、エナメル線(直径0.5o程度、約50p)、単3乾電池、単3用電池ボックス、クリップ付きリード線2本、紙ヤスリ、セロテープ、はさみ、千枚通し(かまぼこ板を台として使うときに必要)、巻きコイルを作るときの芯に使うフィルムケース、または単1電池、場合によっては接着剤。


-3.やり方
 
  (1)  単3電池、またはフィルムケースを芯にして、エナメル線を巻いてコイルにします。(図2)

図2
  (2)  図4のように、巻きコイルの両端のエナメル線をねじって、コイルがほどけないように止めます。
 このとき、両端のエナメル線がコイルの中心を通る直線になるようにしてください。(図4の巻きコイルの内の点線の図)

  (3)  紙やすりで、巻きコイルの両端のエナメル(塗装)をはがします。このとき、片方の線はエナメルを全部はがしますが,もう片方は下半分だけエナメルをはがします。(図4の巻きコイルの両端の図)
 モーターが回るか回らないかは,この作業で決まりますので、この作業はていねいにしましょう。


  (4)  クリップを図3のように伸ばして、軸受けを作ります。

図3
  (5)  消しゴムにクリップを差し込み、固定します。(板のときは、千枚通しで穴をあけ、場合によっては接着剤で止めます)
 軸受けと軸受の距離は4pくらいが良いでしょう。

  (6)  軸受けと軸受の中心に、磁石を置きます。(セロファンテープで止めても良い)

  (7)  軸受けに巻きコイルをはめれば、モーターの完成です。


 クリップ付きリード線を使って、伸ばしたクリップに電池をつないでみてください。コイルがくるくると回り出します。コイルが少し動くけど、回らないときは、ちょっと手を貸してあげましょう。
 コイルが全く動かないときは、エナメル線の両端をもう一度ていねいに紙やすりでみがいてみましょう。

図4

-4.分かること
 
 磁石のまわりでは、磁石の力(磁力)の影響を受けます。たとえば、鉄が引き寄せられたり、方位磁針の針が動いたりします。このような磁力の影響が及ぶ空間を磁界と言います。この磁界には向きがあり、その中を流れる電流は、その磁界と電流の向きに応じた向きの力を受けます。
 図5のように、左手の親指、人差し指、中指の3本を互いに直角に開いてみてください。中指を電流の向き、人差し指を磁界の向きとすると、親指の向きが力の向きになります。この関係をフレミングの法則と言います。モーターはこの力を利用して回ります。

図5

-5.なぜ、どうして?
 
 では、どうしてエナメル線の片方は半分だけエナメルをはがしたのでしょうか。考えてみましょう。
 また、両方とも全部エナメルをはがすとどうなるでしょうか。


-6.なぜ、どうして?の答え
 
・どうしてエナメル線の片方は半分だけエナメルをはがしたのでしょうか。
・また,両方とも全部エナメルをはがすとどうなるでしょうか。

 図6のように右向きの磁界の中で、巻きコイルに図のような方向に電流を流すと、巻きコイルに生まれる力は左側のコイルでは上向き、右側のコイルでは下向きとなります。

図6

 エナメル線の半分をはがした部分がクリップに接触した位置にあるときは、巻きコイルに電流が流れます。この電流の流れは、上の図と同じように巻きコイルの左右で反対方向のため、巻きコイルに働く力は左側のコイルでは上向き、右側のコイルでは下向きとなります。つまり巻きコイルが回転する力になるのです。

図6−1
   
 エナメル線のはがれていない部分がクリップに接触した位置にあるときは、巻きコイルに電流が流れませんので、力は働きませんが、それまでの勢いで巻きコイルは回転を続けます。
 図6−1、図6−2を交互に続けることによって、結果として巻きコイルは回りつづけるのです。

図6−2

 さて、エナメル線の両方ともエナメルをはがすとどうなるでしょうか。
 巻きコイルは、図6−1のように磁石と並行になるところまでは回転しますが、そこでコイルの右側と左側で働く力の向きが正反対になるため、回転は止まってしまいます。